禁書「やったんだよ!すごいんだよ!」
上条「おぉ、すげぇなあ!この瞬間を見ることができるなんて最高だぜ!」
O 氏 の 圧 力 (カ ウ ン タ ー ク リ ア ー)
上条「ん?何だ今の声・・・」
実況「ようやく、ようやくの一本目ですねえ、安打と打点は悪くなかったんですが開幕前の期待に答えることはできませんでしたねえ」
禁書「いまさら打ってもしょうがないんだよ!せっかく四番打者としてシーズン0本を期待してたのに」プンプン
上条「・・・え?」
禁書「え?とうま何を言ってるの?熱さで頭がおかしくなっちゃったのかな? バレンティンの遅すぎるホームランに会場からも大ブーイングなんだよ」
上条「な・・・なに・・・」
実況「実に、実にがっかりといった表情です。ベンチのメンバーも守備につく阪神ナインも渋い表情を浮かべています。」
解説「ここまで祝福されないホームランも珍しいですよねぇ」
禁書「とうま、この空気の中でそんな冗談を言っても誰も笑ってくれないんだよ?」
上条「嘘だろ・・・ あ」
上条(もしかしてこれは、何らかの魔術?)
禁書「はぁ、自分がやったことがわかってないんだね、何かもうつまらなくなっちゃったんだよ」ピッ
国分「うわあああやばいやばいやばい!!これ燃えてるって!!マジやべぇ!!」
禁書「無人島開拓はおもしろいんだよ」ニコニコ
上条「・・・・」
上条(もしかして、また、エンゼルフォールの時のような大規模な術式が展開されたのか?バレンティンのホームランが無かったことになったのはほんの些細な変化・・・)
上条「しばらく、様子をみないとな」
上条「やっぱりだ、どのメディアも、インターネットの過去のニュースも、まるで誰かの意志が働いたかのように綺麗さっぱり無かったことにされている・・・」
上条「姫神にも吹寄にも確認してみたがやっぱり帰ってくる答えは同じ・・・」
上条「この右手があるおかげで俺だけがバレンティンの56号、あの後もう一本打ったらしいから57号か」
上条「世界で俺だけが57号を記憶しているなんて、何がどうなればこんなふざけたことが起こるんだ」
土御門「いよう、カミやん、わざわざ祝日に俺を呼び出すなんてまた何かあったのか?」
上条「土御門、今から俺が話すことを真剣に聞いてくれないか?」
土御門「・・・いいだろう。話せ」
上条「俺はまたエンゼルフォールみたいな大規模な魔術が発生したのかと思ったんだが」
土御門「そりゃ無ぇな。それだけ大規模な魔術が展開されれば俺が気づかないわけがねえし、俺が気づかなくても他の魔術師が何らかの動きを見せるはずだ」
上条「じゃあ、これは一体何なんだ・・・?」
土御門「魔術じゃなけりゃ超能力だが・・・」
上条「超能力・・・」
土御門「第四位の食蜂操祈なら記憶の改竄くらいお手のものだろうが、億の単位の人間を一斉に、それも学園都市の中からできるかと言えば」
上条「できない、あまりにも数が多すぎるし範囲も広すぎる。俺にはよくわからねえが超能力だって無限の力ってわけじゃないはずだ」
土御門「そういうことだ」
上条「ん?」
<嘘つきバレンティン、関係者、ファンから総スカン>
上条「これは・・・」
僕は嘘なんかついてない!!確かにホームラン56本打ったんだ!!
写真は涙ながらに訴える哀れなバレンティン
上条「俺以外にも、この異変を異変だと認識している人間がいた・・・」
>>13
>>14
キーボード押し間違えちゃった てへぺろ☆
上条「頼んだ。ただ危ないことだけはするんじゃねえぞ?」
土御門「お前が言うことか、いっつもボロボロになって入院してるのはどこのどいつだ?」
上条「む、そ、そりゃまぁ・・・」
土御門「ま、今のところ表に現れている変化がバレンティンのホームラン数ってだけだ。他にも気がついたことがあったら教えてくれよ?」
上条「わかった。そっちは任せたぜ」
土御門「任されたぜぃ」
初春「どうしたんですか佐天さん」
佐天「え?いやぁ何でもないよ初春ぅ~」
初春「? 変な佐天さん」
佐天「何だとぉー、そんなことを言う初春はこうだぁー!」バサッ
初春「きゃあああああ!!何するんですか佐天さあああああん!!」
佐天「あっはっはー!!悔しかったらあたしに追いついてみろぉー!」タタタ
初春「うわああああん!ひどいですよ佐天さああああん!」
佐天「さてさて、どうなることやらこれはこれで楽しみですなぁ」ニシシ
佐天(私の尊敬するO氏の記録は、外国人なんかには抜かせませんよーだ)
上条「せめて、せめてもう一人くらい俺と同じように異変を認識している人間がいれば・・・」
「ギャハハハ!!おいおい、こいつ本物だぜぇ!!」
???「ヤメロォ!ワラウナァ!!」
「何が記録を塗り替えただよ!たった2本のホームランしか打ってないくせに笑わせるんじゃねーよ!!」
???「ホウトウダヨォ!!ボクハホームランウッタンダ!!ニッポンノキロクコエタンダ!!」
上条「あれは・・・」
「じゃあお前俺が投げるボール打ってみろよwww打てるんだろwwww」
???「クソッ!!クソッ!!ボクハホームランオウダ!!バカニスルナァ!!」
「じゃあ打てよ?火の玉の剛速球をな!!」ボワッ
???「エッ!?」
「オラァッ!!!!」ブンッ
???「ウワァッ!!」
???(ヒノタマガスゴイスピードデ)
上条「あぶねえっ!!」パキーン
上条「お前ら、よってたかって一人の人間に何てことしやがるんだ!!」
「あ?お前何だ?正義のヒーロー気取ってんのか?」イラッ
上条「うるせえよ。お前らみたいに数人で一人を馬鹿にするようなやつらは見てらんねんだよ!」
???「キミハ?」
上条「俺のことは後だ、とりあえず俺はあんたを助ける。日本記録とアジア記録を更新する57本のホームランを打ったバレンティンをな!!」
バレンティン「シッテルヒト・・・イタ・・・」
「チッ、警備員か」
「何でもありませーん!この外人さんとお話してただけでーす!」
上条「調子のいいやつらめ・・」
黄泉川「おやおや、誰かと思ったらまた悪ガキじゃん。また何か悪さしてるのか?」
上条「俺がいつ悪いことしたんですか、この人があいつらに馬鹿にされてたからちょっと相手しようと思っただけですよ」
黄泉川「ふーん」チラ
バレンティン「ドーモ」ペコ
黄泉川「・・・単純な腕力ならどう見てもお前が助けられる側じゃん?」
上条「そ、それはそれですよ!」
上条「ぐ、善処します」
バレンティン「ビックリシタ、アレガチョーノーリョク、ハジメテミタ」
上条「えっと、ヤクルトスワローズのバレンティン選手で間違いないんだよな?」
バレンティン「ウン、ボクバレンティン」
上条「俺は上条当麻、あんたを混乱させるだけかもしれないけどさ。俺あんたが打った56本目のホームラン、テレビで見てたんだぜ」
バレンティン「ヨカッタ、ヒトリデモ、シッテルヒトイルノウレシイ」グスッ
上条「とにかくあれだ、今何か世界規模で異変が起こってるみたいなんだ。これからそれをどうにかしなきゃならないから、あんたも力を貸してくれよ」
バレンティン「ワカッタ。ボクニデキルコトナンデモスル。ヨロシク、カミジョー」
バレンティン「バレンティンデイイヨカミジョー、ボクモカミジョーッテヨブヨ」
上条「ん、じゃあバレンティン、どうして学園都市に来たんだ?」
バレンティン「ボク・・・、キノウホームランウッテカラミンナオカシクナッタ」
バレンティン「ホームランウツマデミンナボクノコトオウエンシテクレタ、ガンバッテッテタクサンタクサンイワレタ」
バレンティン「ママモニッポンニカケツケテクレタ、ホコリタカイムスコダッテイッテクレタ。ダカラボクママノマエデホームランウツッテキメタ」
バレンティン「ナノニ・・・ナノニ・・」
上条「・・・・」
バレンティン「ミンナボクノコトウソツキイウ、ママモボクヲオロカモノダトノノシル・・・ ナンデコンナコトニナルンダヨォ・・・」
バレンティン「コレゼッタイフツウジャナイトオモッタ。ダカラフシギナチカラケンキューシテルガクエントシにキタ。ココナラナニカワカルカモッテ・・・」
バレンティン「カミジョー、ナニカシッテルナラオシエテホシイ、イマナニガオコッテルノ?」
上条「すまねえ、詳しいことはまだこれから調べないと何ともいえないんだ」
バレンティン「ソッカ・・・」
上条「だけど心配すんな。絶対に俺が何とかしてみせる!」
バレンティン「カミジョー・・・」
佐天「あれはバレンティン、何で学園都市に・・・ それにあの人はたしか・・・・」
佐天「まずいなぁ、せっかく1に戻したのにあの人がいちゃ台無しだよ」
佐天(ここは御坂さんにでも協力してもらうしかないかねー)
バレンティン「キオク?」
上条「そう、今までバレンティンがやってきたことが嘘じゃないってことを俺とバレンティン以外の人に知ってもらうんだ」
バレンティン「ソンナコトデキルンダ、ヤッパリガクエントシッテスゴイ」
上条「いつもならこの辺に・・・ あ、おーい!食蜂ー!」
食蜂「あらぁ、上条さんじゃなぁい」
上条「久しぶりで何だけどさ、ひとつ頼まれてくれないか?」
食蜂「頼みぃ?んー、どうしよっかなぁー?」
上条「頼むよ。俺にできることなら何でもするからさ」
食蜂「何でもぉ? ふーん、何でもねぇ~」ニコニコ
バレンティン「ボクカラモオネガイシマス」
食蜂「って怖ッ!ゴツいはこの人!」
バレンティン「ソウデス、ボクバレンティン」
食蜂「うっそぉ、まさか本物に会うことになるとは思ってもみなかったわぁ」
上条「食蜂は野球観てるのか?」
食蜂「ふっふーん、こう言っては何だけどぉ、私は生粋のハマファンよぉ」
上条「何か意外だな。スポーツとか興味無さそうに見えるぜ」
食蜂「人は見かけによらないものよぉ」
上条「えっと、それはそれでだ。突然で悪いんだけど・・・・」
食蜂「?」
上条「信じてくれるのか?」
食蜂「俄かには信じがたいけどぉ、よく考えれば開幕前はうちのブラちゃんの良いライバルになると思っていたのにこれは変よねぇ」
バレンティン「ボクホームランウッタ、ソレウソジャナイ」
食蜂「ホームラン2本で120打点っていうのもおかしいわよねぇ、確かに何者かの意志力を感じるわぁ」
上条「とりあえずさ、食蜂の能力でまずバレンティンの記憶を覗いてみてくれねーか?そうすればはっきりすると思うんだ」
食蜂「そうねぇ、それが一番よねぇ じゃあバレンティン、ちょっと失礼するわねぇ」ピッ
バレンティン「 」ピタッ
上条(あ、能力使われるとこうなるんだ)
御坂「え?どうしたの佐天さん」
佐天「あたしバレンティンを見たんですよ!この学園都市で!」
御坂「・・え?」
佐天「おっどろきですよねー、昨日の今日で何で学園都市にいるんですかねー?」
佐天「たった2本のホームランしか打ってないくせに、ぶっちぎりの最下位にいるくせにホームランの日本記録を更新したとかホラ吹いたあのバレンティンがですよー?」
御坂「へぇ・・・」
御坂(あろうことか大正義巨人軍に楯突く愚か者が、実力で勝てないからってできもしないことをわめいたあのバレンティンが学園都市に・・・)
佐天「さっき常盤台の女王のとこにいるのを見ましたよ。もしかしたら女王の能力で公式記録を改竄するつもりじゃないですよねぇ?」
御坂「佐天さん、ちょっとそこまで案内してくれる?」
佐天「はい、喜んで」ニヤッ
上条「だろ?」
食蜂「すごいわぁバレンティン、あなた最高よぉ!」バンバン
バレンティン「アリガト、アリガト、ホメラレルトボクナミダデソウニナル」グスッ
食蜂「こらこら、泣いてちゃだめだゾ☆ 今年は厳しいけど来年こそはうちとCS争いしなきゃだめよぉ?」
バレンティン「ウン、ボクガンバル、ミンナモツバクローモイッショニガンバル」
上条「それでだ食蜂、俺たちは皆の記憶やあらゆる記憶媒体が改竄された原因を探してるんだ、何かわからねーか?」
食蜂「んー、何か、といわれても難しいわねぇ・・・ 正直私の記憶も改竄されたのは腹正しいけど、こればっかりは私の能力を遥かに超えているものよぉ」
上条「やっぱりか・・・」
上条「そうか、じゃあ超能力じゃ無いってことか?」
食蜂「んー、そう決め付けるのはまだ早いわねぇ、例えばそう、仮によ?私と同じか私よりもいくらか劣る能力者が数万人いたとすればどう?」
上条「そりゃ、それだけいりゃ・・・ ってことは」
食蜂「これはあくまでも仮説だけどぉ、たくさんの、本当にたくさんの人の思念や願いというものを集めてそれを力にすることができれば・・・」
上条「・・・いや、待て」
食蜂「なぁに?」
上条「そもそもだ。そもそもこの異変を起こしたやつの狙いは何なんだ?今のところわかってる異変はバレンティンのホームランの数が改竄されたってことだ」
上条「だがそれを改竄して誰が得するって言うんだ?素直にここまでホームランを積み上げたバレンティンを褒めればすむだけのことじゃねえか」
バレンティン(カミジョー・・・)
上条「え?」
食蜂「上条さんはたかがホームランと思ってるみたいだけどぉ、日本人プロ野球ファンにとってそれは大きな聖域なのよぉ」
上条「聖域・・・?」
食蜂「超えることなど絶対に許されない、そうねぇ、もし許されるとしたらぁ、ここ15年で言えばゴジラちゃんくらいのものかしらぁ」
上条「お、おい、それじゃまさか・・・」
食蜂「ま、私には偏った超能力の知識しか無いしぃ、詳しそうな人に聞いてみるしかないんじゃないかしらぁ?」
上条「詳しそうな人・・か・・・」
食蜂「そ、案外上条さんの近くにいるんじゃなぁい?不思議な力にすっごく詳しい人」
上条「・・・そっか、わかったぜ食蜂、ありがとな!」
食蜂「ふふっ、お礼のほう期待してるんだゾ☆」
佐天「ほんっと許せないですよねぇ、そういう勘違いした馬鹿は御坂さんの電撃でビリッっとやっちゃってくださいよぉ」ニヤニヤ
御坂「もぉちろんよぉ、私の愛する巨人を愚弄するやつは何人たりとも許さないわぁ」
佐天「わぁい、御坂さん頼もしい!」
???「佐天君、楽しそうだね?」
佐天「はい、とっても」
???「徹底的に頼むよ?何せ君の能力の源は世界中のジャイアンツ愛の結晶なのだから」
佐天「ウフフフフ」
上条「で、どういうことなんだ?」
バレンティン「オシエテクダサイオネガイシマス」
禁書「どうやらこれは日本中から集まった強烈なひとつの思念が起こしたものみたいなんだよ」
上条「思念?」
禁書「結論から言うと、巨人軍崇拝、まあARAH監督言うところのジャイアンツ愛ってやつなんだよ」
上条「はあぁ!?」
バレンティン「ソンナ・・・シンジラレマセン・・・」
禁書「それどころかホームランに関しては日本プロ野球の沽券にかかわる問題。55本を越えるのなら日本人って言う考えを深層心理で持っている人の数を含めれば」
禁書「あのフィアンマを簡単に退けることもできるくらいの力を発揮できるものなんだよ」
上条「な・・なんだそれ・・・」
バレンティン(ナニイッテルノカヨクワカラナイ、ダレカエイゴデオネガイ)
禁書「とは言ってもあくまでスポーツに対する熱意、それで人を殺すとかそういうことにジャイアンツ愛が行使されなかったのが幸いだね、たぶんほっといてもこれ以上のことにはならないと思うんだよ」
上条「ってことは・・・」
禁書「うん、バレンティンを含めて、これからも55本を越えるホームランを打つ外国人打者が出るたびにこういうことが起こるだろうね」
バレンティン「ソンナノッテナイヨ・・・・」
上条「決まってんだろ!確かに誰も怪我をしたり血を流したり命を脅かされたりしちゃいねえ、だけど」
上条「そんなくだらないことで一人のまじめなアスリートの血のにじむような努力の結晶を簡単にぶっ壊されてたまるかよ!!」
上条「そんなふざけた幻想はこの俺がぶっ潰してやる!!」
禁書「やっぱりとうまはとうまなんだよ、しょうがないね」ヤレヤレ
バレンティン「ネェインデックス、エイゴシャベレル?」
禁書「あ、そっか。バレンティンには英語のほうが伝わりやすかったんだね、うっかりしてたんだよ」
バレンティン「オネガイ、ボクモナニガオコッテルノカチャントハアクシタイ」
禁書「うん、じゃあまた一から教えてあげるんだよ」
バレンティン「アリガト、インデックス」
禁書「結論から言うと、歪んだジャイアンツ愛を集めて、記憶を改竄するっていう形に変えた術者か能力者を何とかしなきゃいけないんだけど・・・」
上条「どこにいるかわかるか?」
禁書「私にはわからないんだよ・・・」
バレンティン「ソンナ・・・」
禁書「バレンティン、そんな顔しちゃだめなんだよ。私にはどこにいるのかわからないけど、それが誰だかは何となくわかる」
上条「えっ?」
バレンティン「ダレナノ。オシエテインデックス」
禁書「それは・・・ 日本野球界最高の打者として君臨したあの」「そこまでよ!!!」
上条「御坂!!」
御坂「やっほー」ヒラヒラ
バレンティン「アノコダレ?」
禁書「とうまに電撃ビリビリする悪いやつなんだよ」プンプン
バレンティン「デンゲキ、イタイノダメ、ミンナナカヨク」
禁書「それができれば苦労しないんだよ」
上条(どうしよう、インデックスにしょっちゅう噛みつかれてるけどそこは黙っておいたほうがいいのか?)
上条「あ、んんっ えと、御坂、お前どうしたんだ?」
御坂「ああ、今日は別にあんたとシスターに用は無いわ。私が用があるのはそっち」ビシッ
バレンティン「・・・・ボク?」
御坂「そう、あんたよぉ」ニヤァ
バレンティン「・・・」
御坂「あんたが日本記録の聖なる55本を越えたですってぇ?ふざけるのはチラシの裏だけにしときなさいよぉ」ビリビリバチバチッ
御坂「昨年、一昨年飛ばないボールでホームラン王になったからって調子に乗ってるんじゃないわよおおおおお!!!」
禁書「まずいんだよ!たんぱつの身体が邪悪なジャイアンツ愛で満ち溢れてるんだよ!!」
上条「何だって!?」
禁書「おそらくたんぱつは生粋の巨人ファン、そのためにゆがめられたジャイアンツ愛の影響を色濃く受けてしまったんだよ!!」
上条「くそっ!それじゃ御坂は!?」
禁書「バレンティンのことを大正義巨人軍の栄光ある輝かしい歴史に傷をつける邪悪な存在だと認識しているはず。こうなったらタダじゃ止まらないんだよ!」
上条「・・・・どうすりゃいい?」
禁書「近くに、たんぱつに邪悪なジャイアンツ愛を送りつづけているやつがいるはずなんだよ!」
上条「そいつを何とかするしかねえってのか・・・」
上条「佐天さん?」
禁書「とうま、その子から濃密なジャイアンツ愛を感じるんだよ!」
上条「ってことは佐天さんを何とかすれば」
佐天「できるんですかぁ?こっちには御坂さんがいるんですよぉ、ねえ御坂さん?」
御坂「アンタ、私らの邪魔しようっていうの?」
上条「くっ・・」ギリッ
佐天「いくら上条さんでも御坂さんは殴れませんよねぇ? 今の御坂さんならか弱いあたしを全力で守ってくれますよぉ?」ニヤニヤ
御坂「あんたの右手はやっかいだけどさぁ、でもそんなもん鉄筋のひとつやふたつ頭に落としてやれば一発なのよねぇ」ケラケラ
上条「くそっ、やめろ御坂!!お前は今正気じゃない!!バレンティンがお前に何をしたっていうんだ!!」
上条「違う!バレンティンは愚か者なんかじゃない!」
御坂「はぁ?あんた説明してあげないとわからないの?こいつは我が巨人軍が誇るレジェンド、O氏の記録を超えたとかいうホラをメディアの前で言ってのけたのよ?」
御坂「それがどれだけの侮辱であるかあんたにはわからないかもしれないけどぉ、私たちにとっては絶対に許しちゃおけないのよねぇ」
上条「くそっ!言っても無駄か!」
御坂「そこをどきなさい。何も命まで奪おうっていうんじゃないわ。単に腕の一本をもらうだけよ」
禁書「鬼畜生・・・」
御坂「そうすりゃあもう二度とくっだらないホラなんて吹けなくなるでしょうがwwwww つまり巨人軍を侮辱できなくなるわけwwwwww」
佐天「いいですねぇ御坂さん、最高ですよぉ」ニヤニヤ
御坂「なぁんだ、あんた邪魔するんだぁ・・・」イライラ
上条「当たり前だ。誰が何と言おうがこんなことは間違ってる!バレンティンが日本記録を塗り替えて何が悪いってんだ!!」
御坂「あぁんた私の話聞いてなかったのねぇ、塗り替えられてないってのぉ、塗り替えたとかホラ抜かすそいつが悪いって言ってるでしょうがぁ」イライラ
上条「塗り替えたぜ・・・ バレンティンは確かに日本記録を上回る56号と57号を」御坂「黙れええええええええ!!!!」ビリビリバリバリ
上条「うおおおおおおおおっ!!!!」パキーン
御坂「このっ! 相変わらずむちゃくちゃな右手しやがってええええええ!!!!!」ビリビリビリビリ
上条「やらせねえ!!バレンティンはやらせねえぞおおおおお!!!」
佐天(やれやれ、御坂さんは上条さんで手一杯ですか、仕方ありませんね)
???「どうやら、私が直接手を下さねばならないようだな」
バレンティン「ア、アナタハ・・・」
O氏「ふっふっふ・・・」
禁書(やっぱり、この人が黒幕・・・)
御坂「きゃあああああ!!!O氏よおおおおお!!!!」
上条「この人が・・・ あの・・・・」
佐天「御坂さーん、O氏との記念撮影、握手、サインはあとでたっぷりやってあげますから今は上条さんをなんとかしてくださーい」
御坂「あはぁっ!! もっちろんよおおおおっ!!!」ビリビリビリビリドガァァァンッ
上条「うおおおおおおっ!!!」
バレンティン「ナ、ナンデ・・・ アナタガ・・・・」
O氏「何で?だと?考えればわかることではないかバレンティン」
バレンティン「・・・・」
O氏「気に食わんのだよ。単純にね」
禁書(・・・がっかりさせてくれるんだよ)
バレンティン「OHシ・・・・」
O氏「外国人の、巨人以外でしかも最下位のチームから出すわけにはいかんのだよおおおおおおおおっ!!!」ゴォッ
禁書(O氏を包み込むこのオーラは・・・)
栄光のV9(完全不滅の巨人軍)!!!
禁書「まずいんだよバレンティン!O氏は超国民的人気を誇った過去の完璧な巨人軍の生きる象徴!!生半可なやきう力じゃ手も足も出ないんだよ!!」
バレンティン「ナ、ナンダッテ・・・」
O氏「ふっ」ニヤッ
ヒュンッ!!
バレンティン(キエタ?)
ズドムッ!!!
バレンティン「ガ・・・ハァ・・」ヨロッ
O氏「君には消えてもらうよ。バレンティン」
御坂「あっはははははは!!!余所見をしてられるのかしらぁっ!?」ビリビリッ
上条「あの構えは・・・」
佐天「超電磁砲 ま、それでも上条さんの右手は突破できないわけですけどぉ・・・」
御坂「私の超電磁砲は左右同時、いえ、その気になれば身体の全方位から射出することができるわ」チャキ
上条「ぐっ・・・」ギリッ
禁書(右手はとうまに狙いを定めて、左手はバレンティンを狙っている・・・)
御坂「O氏いいいいいい!!!私もバレンティン片付けるの手伝うわああああ!!!」
O氏「ふっ、ありがたい。ファンの応援は大切にしなくてはなぁ?」ニヤニヤ
バレンティン「グ・・・ウゥ・・・・」
御坂「ってわけでぇ、ぶっ飛べやおらあああああああああああっ!!!!」
バシュウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!
上条「やめろおおおおおおおおおおお!!!」
禁書「バレンティイイイイイイイイン!!!!!!!」
???「ハァッ!!!」シュバッ
???「トォゥッ!!!」シュタッ
佐天「えっ!?」
???「ムゥン!!!」ビュンッ
???「タトゥァッ!!!」ビュンッ
カキイイイイイイイイイインッ!!!!!!!!!!!!
御坂「そんな!!!私の超電磁砲が叩き飛ばされた!?」
バレンティン「ア・・・ア・・・・・・」
???「ダイジョウブカバレンティン」
???「フゥ、ゼントシテヤガルゼ」
上条「この二人は・・・・」
禁書「信じられないんだよ・・・・」
ローズ「ヤレヤレ、ヒサシブリノホームランモコンナヒョロダマジャアナァ」
カブレラ「マッタクダ、バッティングセンターノホウガダイブマシッテモンダゼ」
ローズ カブレラ「「HA!HA!HA!HA!HA!」」
佐天「ローズにカブレラ・・・・」
上条「すげぇ、本物だ・・・・」ゴクリ
O氏「ぬうぅぅ」ギリギリ
ローズ「ヒサシブリダナァOHシ、マサカオレタチノカオヲワスレタワケジャナイヨナァ?」トントン
カブレラ「オカワリナサソウデアンシンシタゼェ」フゥー
御坂「な、なんであの二人がここに・・・」
禁書「なんだかよくわからないけどこれで劣勢を覆せるんだよ!」
>>220
× ???「フゥ、ゼントシテヤガルゼ」
○ ???「フゥ、アゼントシテヤガルゼ」
修正
ローズ「バレンティン、コイツノマヤカシノヤキウリョクニマドワサルンジャナイ」
カブレラ「イクラエイコウノヴイナインヲマトッテイヨウトソレハモウカコノキオク、アタラシイヤキウハイマフィールドデタタカッテイルプレイヤーがタマシイヲケズリアウコトデツクラレテイルンダ」
バレンティン「イマ・・・フィールド・・・デ・・・」
佐天「ちっ、所詮は記録に届くだけの実力を持たなかった負け犬が何を言ってるんでしょうかねぇ」
御坂「ホント、見苦しい連中だわ」
ローズ「ソウダナ、タシカニミグルシイカモシレナイ」
カブレラ「オレタチハナンダカンダイッテモOHシヲコエルコトハデキナカッタンダカラナ」
上条「ローズ・・・ カブレラ・・・・」
ローズ「ダガナァOHシ!イクラナンデモ!イクラナンデモジツリョクデアンタヲコエタバレンティンヲドンゾコマデタタキオトスヨウナコトヲダマッテミスゴスワケニハイカネェンダヨ!!!」
O氏「っ」ピク
カブレラ「タシカニアンタガカントクジダイニタイセンシタオレタチハナゾノシキウリキデイチルイオクリニサレタ!!ダガソレモヒトツノセンリャクトシテハラノソコデグットコラエタ!!!」
カブレラ「ソウ、ナニモノニモマケナイドンナプレッシャーヲモハネカエスツヨイココロダ」トン
O氏「・・・」ギリギリ
ローズ「ツヨイココロデキヅキアゲタバレンティンノホームランヲナカッタコトニスルナンテ・・・」
カブレラ「アンタソレデモヤキウジンカ!!!!」
O氏「言わせておけば・・・」
ローズ「アンタニハヤキウジンヲナノルシカクハナイゼ、OHシ」
カブレラ「ソノカラダニマトッタエイコウノヴイナインモナイテルゼ」
O氏「なら、できるというのかね?この私を倒すことが」
カブレラ「デキルサ、オレタチナラゼッタイニナ」
ローズ「サァタチアガレバレンティン、コイツハオマエノテキジャナイ、オマエナラゼッタイニカテル。ソレヲオレタチヤヤキウヲアイスルスベテノヒトタチニミセテヤロウゼ!!」
バレンティン「ローズサン・・・」
ちびっ子「ばれんてぃーんがんばってー!!」
ファン「越えろおおおお!!!お前ならできるぞバレンティイイイイイン!!!」
小川「お前ってやつは俺が投げるとすんごい打ってくれるよなぁ、ありがとよ。今後も頼むぜ!」
つばくろう「バレンティンさいこう いっしょにやくるとのみたい でへへ」
バレンティン「ミンナ・・・ミンナ・・・・ソレニ・・・・」
アストリット(母)「ナンデワタシガクルマデ55ホンメヲマテナカッタノ!?ワタシノメノマエデウタナキャダメジャナイ!!」
バレンティン「マッマ・・・ゴメン・・・」
アストリット(母)「フゥ、ナニアヤマッテルノヨ、ソリャチョッピリガッカリシタケドウレシイコトニハカワリナイノヨ?」
アストリット(母)「アナタハダイヤモンドノヨウナムスコヨ、コレカラモガンバッテネ ココ」
バレンティン「マッマ・・・・」スクッ
カブレラ「ソウダ、タチアガレ・・・ヒーロー」
上条「本当かインデックス!助かるぜ!」
カブレラ「そう、何者にも負けないどんなプレッシャーをも跳ね返す強い心だ」トン
O氏「・・・」ギリギリ
ローズ「強い心で築き上げたバレンティンのホームランを無かったことにするなんて…」
カブレラ「アンタそれでも野球人か!!!!」
O氏「言わせておけば・・・」
ローズ「アンタには野人を名乗る資格は無いぜ、王氏」
カブレラ「その身体にまとった栄光のV9も泣いてるぜ」
O氏「なら、できるというのかね?この私を倒すことが」
カブレラ「出来るさ、俺たちなら絶対にな」
ローズ「さあ立ち上がれバレンティン、コイツはお前の敵じゃない、お前なら絶対に勝てる。それを俺たち野球を愛する全ての人たちに魅せつけてやろうぜ!!」
バレンティン「ローズさん…」
上条「立ち上がった!!バレンティンが立ち上がったぞ!!」
御坂「そんな!O氏の一撃を受けて立ち上がることができるなんて!!」
ローズ「さぁ、第二ラウンドの始まりだ」
カブレラ「俺の怒りは激おこぷんぷんまるだぜ」
禁書「言葉の意味はわからないけどすごい迫力なんだよ」
佐天「が、それでも」
O氏「ふぅん、私の敵じゃないねぇ むんっ!」クワッ
カブレラ「うおおおおおおおおおお!!!!!!」
バレレンティン「ぬあああああああああああああ!!!!!」
O氏「軽いっ!!!」ガキィッ
佐天「さすが!!三人の攻撃を左手一本で食い止めた!!」
ローズ「ぬ・・おおおお・・・・・・」
カブレラ「ぐううぅぅ・・・うぅぅ・・・」
バレンティン「こ・・・これが・・・・・くそっこれが・・・・・」
O氏「そうだ、確かに私の栄光のV9は過去のものだ、だがそれは決してまやかしなんかじゃない。私がこれまでに浴びた声援の数、私にあこがれた野球少年の数、私のプレーに涙した人の数は絶対の物だ!」
上条「嘘だろ・・・三人がかりだぞ・・・・」
禁書「これが・・これが・・・ 大正義巨人軍の力・・・・」
御坂「はっはっはっはっはっは!!O氏は世界最高なのよぉ!!それは絶対に揺らぐことなんかないんだからぁ!!」
カブレラ「うおおおおおおおおおお!!!!!!」
バレレンティン「ぬあああああああああああああ!!!!!」
O氏「軽いっ!!!」ガキィッ
佐天「さすが!!三人の攻撃を左手一本で食い止めた!!」
ローズ「ぬ……おおおお…………………」
カブレラ「ぐううぅぅ………うぅぅ………」
バレンティン「こ…これが……くそっこれが……」
O氏「そうだ、確かに私の栄光のV9は過去のものだ、だがそれは決してまやかしなんかじゃない。私がこれまでに浴びた声援の数、私にあこがれた野球少年の数、私のプレーに涙した人の数は絶対の物だ!」
上条「嘘だろ…三人がかりだぞ……」
禁書「これが……これが………大正義巨人軍の力…………」
御坂「はっはっはっはっはっは!!O氏は世界最高なのよぉ!!それは絶対に揺らぐことなんかないんだからぁ!!」
轟ッ!!!!!!!!!!!!!!!!
ローズ「うがああああああああああ!!!!!」
カブレラ「ぐわあああああああああああ!!!!」
バレンティン「おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」
佐天「あっけないもんですねえ、この程度でO氏に挑もうだなんて」ププ
御坂「だぁから勘違いだって言ったのにねぇ」クスクス
上条「お、おい!しっかりしろ!!」
ローズ「ふぅぅー、中々、痛かったぜぇ」ヨロッ
カブレラ「んんー、いい準備運動かなぁ」ヨロッ
バレンティン「ふぅーっ、ふぅーっ、まだ、あきらめない……」
上条「くそっ、インデックス、俺の右手でO氏の栄光のV9を何とかすることはできないのか?」
禁書「とうま、あれは幻想じゃなくて正真正銘のジャイアンツ愛が根幹にあるんだよ。だからあれはとうまの右手じゃ何の約にもたたないんだよ」
上条「こんなところで俺は黙ってみてることしかできないのか……」
御坂「弱すぎィ」クスクス
佐天「こ↑こ↓がおかしくなったんじゃないですかねぇ?」トントン
上条「ちくしょう、馬鹿にしやがって!」
禁書「とうま、とうま」ヒソヒソ
上条「ん?」
禁書「見る限りO氏の力は絶大だけど、それを確固たるものにしてるのはあのさてんって子みたいなんだよ」ヒソヒソ
上条「…ってことは?」
禁書「詳しい説明は省くけど、とうまの右手でさてんに触ることができればO氏の力は弱まると思うんだよ」ヒソヒソ
上条「御坂とO氏を潜り抜けながら佐天さんに触る……」
ローズ「ふぅ、さぁてO氏、第二ラウンドだ。次は華麗にアンタをノックアウトしてやるぜ」
O氏「笑えない冗談だね?」
カブレラ「そりゃ笑えないさ。なんたって真剣なんだからな」
O氏「ぬかしてくれる」クク
バレンティン「?」
上条「三人でO氏の動きを10秒止めてくれ、俺はその間にO氏の栄光のV9を何とかする」ヒソヒソ
バレンティン「……よくわからないけど、できるんだね?」
上条「任せてくれ」ヒソヒソ
上条(とは言ったものの、御坂をかいくぐって佐天さんまでたどり着けるのか?)
禁書「とうま、たんぱつなら私が抑えるんだよ」ヒソヒソ
上条「え?」
禁書「大丈夫なんだよ。たまには私を信じてほしいかも」
上条「でも、おまえ」O氏「話している暇は無いぞおおおおおおっ!!!!」ブンッ
上条「うわっ」
ローズ「ちいいいいいいいいっ!!!!!!」
上条「何だ、御坂の超電磁砲みたいなのがたくさん降ってきやがるぞ!!!」
カブレラ「二人とも、俺たちの背後に!!」
禁書「え?え?」
ローズ「よし、肩を組むんだ!!」
バレンティン「おう!!」ガシッ
カブレラ「はっ!!」ガシッ
上条「こ、これはっ!」
禁書「三人が肩を組み合って私たちの盾になってくれているんだよ!!」
三人「「「ぐ・・ぐぐぁ・・・・」」」ジリジリ
上条「それだけじゃねえ!肩を組みながら少しずつ前進しているぞ!!」
禁書「何て男気溢れる人たちなんだよ……」
佐天「でもそれも時間の問題、一撃一撃弾く度にやつらの身体にはものすごい衝撃が伝わっているはず」
御坂「O氏のもとへたどり着く前に力尽きるでしょうねぇ」
O氏「油断をしてはいけませんよ?油断をね?」グッ
佐天「O氏、それは」
O氏「ただのバットですよ。そう、ただのね」
御坂「わぁすごい、生でO氏のスイングが見られるのねぇ」ウットリ
ローズ「うおおおおおおおおお!!!」
カブレラ「OOOOOOOOOOOOO氏ィイイイイイイイイイイ!!!!」
O氏「ほらほら、あと少しですよ?もう少しで私に手が届きますからねぇ、がんばってくださいねぇ?」
バレンティン「そろそろだ、覚悟はいいか、上条、インデックス」ヒソヒソ
上条「上等だ、あとは俺たちに任せてくれ」
禁書「なんだよ」
バレンティン「よし、いくぞ!!」
O氏「ほう、腕力で抑えにきましたか」
バレンティン「いかに栄光のV9があろうとも、単純な腕力なら俺たち三人に分がある!」
ローズ「あんたの暴走もここまでだ!」
カブレラ「このバットは振らせん!!」
O氏「ふぅ、やれやれ」
上条「うおおおおおお!!!」
御坂「チッ、背後から出てくるとか鬱陶しいのよ!」ビリッ
禁書「させないんだよ!!」ガシッ
御坂「なっ!?」
上条(これで俺が佐天さんを!)
御坂「邪魔ああああっ!!!」ビリビリビリビリ
禁書「ううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」ギリギリ
上条「インデックス!!」
上条(インデックスのやつ、ここまでの覚悟を…… くそっ!)
上条「さあてえええええええええええええんっ!!!」
佐天「はぁい、何ですかぁ?」
上条「たった一人が成し遂げたすげえことを徹底的に潰して満足してるようなちっちゃな心じゃいつか自分たちもつぶれちまうんだ!!」
上条「何が大正義だ!!何がV9だ!!たしかに巨人は強い!!どの球団も手も足も出ないかもしれない!!」
上条「だがどうだ、蓋を開けりゃ金!金!金!お前たちはやきう人として恥ずかしくないのかよ!!!」
佐天「ふっ、それだけ入場者数が多い、スポンサーが多い、ファンが多いというだけのことでしょう、何もおかしいことじゃないでしょう」
上条「ああそうか、そうだよなぁ、そうかもしれねえよ、だがよ、どれだけ応援されようが、どれだけ勝利をあげようが!」
上条「相手をリスペクトする心を無くしちゃそれはもうやきうじゃねえ!ただのビジネスだ!!」
上条「俺はそんなもの絶対に認めねえ!お前たちが抱いているそのっ!!」グッ
上条「そのふざけた幻想を!!!!!!! 俺のこの手でぶち殺すっっっっっっっっっ!!!!!!!!!」
上条「なっ!!」
O氏「ふぅむ、何やら熱いことを語っていたけれど、ただの右ストレートだよね?」
上条「くっ、くそっ!くそっ!!」
佐天「ひどいなぁ上条さん、あたしの顔思いっきり殴ろうとしましたよね?今目がすっごくマジでしたもん」
上条「はっ、皆は!?」
O氏「そこで寝ているよ?」
禁書「 」
ローズ「 」
カブレラ「 」
バレンティン「 」
御坂「ったくこのシスターしつこすぎだっての、腕痛くなっちゃったじゃない」
上条「そんな・・・・」
O氏「単純に素振りをしただけなんだけどね?」
御坂「惚れ惚れしちゃったわぁ」ウットリ
上条「そんな!ただの素振りくらいで!」
佐天「ただの?何を言ってるんですかねぇこの人は、O氏のスイングで2170人が生還したんですよ?」
御坂「それがただの素振りなわけないでしょう?」クスクス
O氏「まぁ、君には君の信念というものがあるわけだからそれは否定しないさ。ただ、単純に君たちには力が足りなかっただけのようだね」
上条「くっ」
O氏「恥じることはないよ。なぜなら君たちは、この世界のOをここまでてこずらせたんだからね、むしろ誇りに思うべきだ」
上条「くそっくそっ」
O氏「だからね、君たちはそう、日本シリーズが終わるまでのあいだ、おとなしくしておいてもらうよ?力ずくでね」
上条「くっそおおおおおおおおおお!!!」
O氏「じゃあね、上条君」
上条(俺の手を握っていたはずのO氏がいつの間にかバットを構えてる)
上条「………」
御坂「ふふっ」
佐天「ばいばーい」
上条(一秒にも満たない間、俺の目に映ったのは俺の顔面めがけてバットを叩き込もうとするO氏、にこやかに微笑む御坂、手を振る佐天さん)
上条(これが恐怖ってやつなんだろう、わずかコンマ何秒かの時間が、とても、とてもゆっくりと流れているように感じられた)
O氏「むんっ!!」
上条(バットが…… 俺の視界を…… 塞ぐ……)
ミシイッ!!!!!
上条「 」
上条(あ…… れ……?)
O氏「ぬっ!?」
佐天「そんな!!O氏のバットが!?」
御坂「嘘、何で?」
???「やれやれ、危ないところだったな。大丈夫かい少年?」
上条「あ」
???「おやおや、軽く放心しているようだね、しっかりしたまえ、君は私が助けたんだぞ?わかるか?ん?」ポンポン
上条「えと、あなたは?」
???「ん?私かい?」
ローズ「う…… うぅ…… おいおい、来るのが遅いじゃねえか、神様さんよ」
上条「かみさま?」
???「うん、私をそう呼ぶ人もいるねぇ」ニカッ
バース「おいおい、俺が来ないと始まらないだろうが、主役だぞ?ん?」
ローズ「ふぅ、遅いんだよあんたは」
バース「すまないねぇ、あっちの方から強烈な猛虎魂を感じたものだからつい、ね」ニカッ
カブレラ「まーた有望な選手をおっかけていたのか、懲りないねえ」
バース「いやいや、あの左腕はきっと阪神を背負ってくれるに違いない うん」
ローズ「なお、ドラフトで負ける模様 ってか?」
バース「んんん~~、余計な事は言わない、口は災いの門って言うだろう?」
上条「おい、インデックス、大丈夫か!?」
禁書「うん……、びりびりしたけど大丈夫なんだよ」
上条「あの人、バースって言ったけど何者なんだ?」
バレンティン「簡単に言うと、彼もまたO氏に因縁のある男だよ。上条」
バース「バレンティンやここにいる少年少女を巻き込まずに済んだんだ」
O氏「ふっ、そうだったな、そんなこともあったなぁ」
バース「それが全ての始まりだ。ここで貴様を止めなくては日本プロ野球に未来は無い!」ピカー!
上条「なんだ!?バースの身体が黄金色、いや黄色か!?光ってるぞ!」
ローズ「あれが、猛虎魂だ」
禁書「猛虎魂?」
カブレラ「そう、栄光のV9に匹敵するほどの強大な力、それはどれだけボロボロに負けて最下位を独走する暗黒期にあっても」
カブレラ「毎日甲子園球場で声援を送り続けた関西が誇るトラキチ集団の熱い魂」
バレンティン「なんて、きれいなんだ……」
バース「いくぞおおおおおおおおおおおお!!!!猛虎魂を受けてみろおおおおおおおお!!!!」
O氏「こしゃくなあああああああああああ!!!!」
O氏「当たるかぁっ!! 2390回一塁に送られた私は勝手に攻撃のほうが逸れてくれる!!」
バース「ちいっ!!」
ローズ「さて、俺たちも行くか」
カブレラ「そうだな」
上条「そんな!怪我してるじゃないか!」
ローズ「なに、このくらいカスリ傷さ、なぁ?」
カブレラ「おう」
バレンティン「全くだ、ここで倒れていたら皆の応援が無駄になるよ」
禁書「バレンティン……」
バレンティン「大丈夫だよインデックス、これは僕たちの戦いだ。そんな顔しないで、ね?」
禁書「わかった、信じてるんだよ」
O氏「ぬうううううっ!!!この私に両手を使わせるとはなあああああっ!!!」
ローズ「バース、助けるぜ!」
バース「お前たち!!」
カブレラ「お前一人にいい格好させてたまるかよ!!」
バース「ったくけが人のくせによぉ!!!」
O氏「数が増えたくらいで私をどうにかできると思ったかぁああああ!!!」
バレンティン「僕たちが負けちゃだめなんだ!僕たちがやらなきゃ!!」
O氏「させてなるものかっ!!させてなるものかああああっ!!私の!!私のおおおおお!!!」
バレンティン「いやっ!! やるっ!! 今この瞬間も、そしてこれからも!! 憧れのプロ野球の世界で、ナンバーワンを目指そうという子供たちの夢を守るためにっ!!」
O氏「そんなものっ!!私がっ!!この私がいる限りっ!!私が一番であればよいのだあああああっ!!」
バレンティン「日本のプロ野球で活躍したいと夢見る子供たちが大きくなり、力を、技術をつけて、それを日本で発揮したいと願うその純粋な想いをっ」
O氏「ぐぬうううううううううううう!!!!」
バース「おらあああああああああっ!!!」
ローズ「やあああああああああああ!!!!」
カブレラ「せええええええええええええええいっ!!!!!」
バレンティン「お前にっ!! お前なんかにっ!! 踏みにじられてたまるかああああああああああああああ!!!!!!!!」
O氏「ぬわああああああああああああ!!!!!!!」
轟ッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!
佐天「有り得ないっ!!こんなことは有り得ないっ!!O氏がっ!!栄光のV9が猛虎魂とその他なんかにっ!!」ギリッ
上条「何言ってやがるんだお前ら」
御坂「っ!?」
佐天「また、あなたですか上条さん」
上条「ああ、俺は何度でもお前たちの前に立ちふさがるぞ」
佐天「このっ、いい加減にしてくださいよ!!鬱陶しいったらないじゃないですか!!」
上条「……」
佐天「巨人軍は永遠なんです!!巨人軍は絶対なんです!!何でそれがわからないんですか!?」
上条「わからねえよ、全然」
佐天「くっ」
上条「人種や国籍の壁を取っ払って競うものじゃねえのかよ」
御坂「何……を……」
上条「だってのに、何なんだよ。お前らがやってることはよ。世界にたくさんの国と地域がある中で、この小さな日本の一球団に所属した一人の選手が築いた記録に固執しやがって」
上条「確かに好きな球団や応援したい選手が偏るのはしょうがないことなのかもしれない、だがな、だからって、同じ競技で」
上条「偉大な記録だろうが何だろうが、正々堂々とその記録に挑んで打ち勝つことが許されないなんていのが」
上条「本当に正しいってお前らは言えるのかよ!!!!」
御坂「っぎゃあああああああああああああ!!!!!!!!」
禁書「たんぱつが苦しんでる……」
佐天「御坂さんっ!?」
佐天(そんな、御坂さんのジャイアンツ愛が揺らいでいるっ!?)
御坂「ぐ…ぐ…」
佐天「あたしに話してくれたじゃないですか!小さい頃巨人時代の木佐貫投手が初めて打たれたホームランボールゲットしてそのシーズン後のキャンプでサインしてもらったって!!」
佐天「そんな木佐貫も今は日本ハムでがんばっててきっと巨人に戻ってきてまた活躍するのを信じてるって…… はっ」
御坂「木佐貫…… 投手は…… 日本……ハム……」
御坂「巨人…… 巨人…… 好きだけど…… 私、木佐貫……投手も好き…… あ……れ? わた……し……」ガクッ
佐天「くっ、御坂さん……」ギリッ
上条「どうやら御坂はわかったようだな。いや、元に戻ったって言ったほうがいいか」
佐天「何故、何故なんですか!!何で御坂さんのジャイアンツ愛がこんなことくらいで!!!」ドンッ
佐天「そうですよ!!そうなんですよ!!だから私が御坂さんのジャイアンツ愛を確固たるものにして!!」上条「そうじゃねえ!」
佐天「な……?」
上条「御坂が本当に愛していたものは、あの黒とオレンジのシンボルマークでも、マスコットのウサギでも、巨人というチームでも、ましてや木佐貫投手個人でもねえ」
佐天「なら……」
上条「御坂が本当に愛していたのは、野球というスポーツそのものなんだ」
佐天「は……?」
上条「グラウンドの上で9人対9人での真剣勝負、夏の暑さ、北国の冷たい風、時にはドーム、時には小雨の降る野外で」
上条「そこで繰り広げられる一つ一つのプレー、そこから生まれる数多くのドラマ」
上条「それが、御坂の愛する野球だ」
佐天「くっ くぅぅぅぅっ!!」ギリギリッ
上条「だから、もう終わりにしようぜ、佐天さん お前の、いや、O氏とO氏に関わる全ての人のわがままを」
上条「俺のこの手でぶち殺す」ポンッ 佐天「あっ」
バース「年貢の納め時だ。O氏」
O氏「認めないっ!!私は認めないぞおぉっ!!」
ローズ「フゥ、まだ言ってやがるぜ、あんたの打ち立てた記録が消えてなくなるってわけじゃないのによ」
カブレラ「全くだ、むしろ誇りに思うべきじゃねえの?若い、新しい力が真っ向勝負でアンタに挑んで勝ったんだ」
カブレラ「アンタもプロやってたんならわかるだろ?負けることは決して恥ずかしいことじゃないってな」
O氏「ぐあああああっ!!!がああああああっ!!!」
バレンティン「O氏、僕、あなたを尊敬します。今までも、そしてこれからも、ずっと」
O氏「ぬううっ!! ぬううううっ!!」
バレンティン「毎日、真剣に勝負します。シーズンのホームランでは僕が勝ちました、でも、まだまだ勝てない記録いっぱいあります」
O氏「く、くぅ」
バレンティン「僕にできなくても、これから、この先、今の、そのまた下の子供たちが、あなたの記録、追い続けます」
バレンティン「ずっとずっと、勝負、続きます、O氏との勝負、野球がなくなるまで続くかもしれませんけど」
バレンティン「でも、絶対に、皆、あなたの偉大さは忘れません。ありがとう。O氏」
その瞬間、全身の力が抜けたのか、糸が切れた人形のようにゆっくりと崩れ落ちながら佐天涙子は意識を失った
それとほぼ同時、佐天と同じように崩れ行くO氏を佐天は薄れゆく意識の中で見た
その顔が、どこか満足げだったのを佐天ははっきりと覚えている
上条「いやぁー、皆元に戻ってよかったなぁ」
禁書「うん、バレンティンもアリガトアリガトいいながらにこやかに帰って行ったんだよ」
上条「それにしてもまたとんでもないことに巻き込まれちまったなぁ、幸いひどい怪我とか無かったけど」
禁書「私はたんぱつのビリビリがすっごく痛かったんだよ!」プンスカ
上条「それは言ってやるな、あいつだって佐天さんだって結局はO氏に操られてたようなもんなんだから」
禁書「ん?さてんが操ってたんじゃないの?」
上条「それがどうやら話を聞く限りじゃO氏が佐天さんの能力を開発したみたいなんだよな」
禁書「え?」
上条「O氏曰く、人の脳のAIMをいじるくらいならホームラン40本打てる技術があれば楽勝だとさ」
禁書「・・・世の中にはまだまだ私に理解できないことがたくさんあるんだね」
上条「そうだな、学園都市の研究者達が聞いたら腰抜かすだろうぜ」 「ね、ねえ」
上条「ん?」
上条「お、御坂」
禁書「げぇ、たんぱつぅ」
御坂「な、何よっ!!そんな顔しなくてもいいじゃないのよっ!!」
禁書「だってさぁ……」
上条「まあまあ、落ち着けインデックス で、何だ御坂?」
御坂「あ、あのこれ、その、この間の…… お、おぉ、おわ…… び……」スッ
上条「え?何だこれ?」ピラッ
禁書「日本ハムって書いてあるんだよ? ハムの券なのかな?」
上条「いや、違うぞ これはプロ野球の観戦チケットだ」
御坂「そ、そう それ、えと、木佐貫投手が投げる予定だから、その……」
御坂(一人邪魔なのいるけど こほん、一緒にいきたいなぁって…… 言いたいのに……)
御坂「べっ、別にいいじゃない!!アンタ今まで何度も学園都市の外であれこれやってきたじゃないの!!」
上条「そうは言ってもなぁ、俺は健全な高校生だぜ?そう軽々しく野球観るために外に出るわけには」御坂「ねっ!!」ガシッ
上条「え?」
御坂「い・く・わ・よ・ね?」ギリギリ
上条「あれぇ?御坂さん?」
禁書(強引なんだよ)ムカッ
御坂「行くったら行く!!わかった!?これ決定だから!!いいわね!?」
上条「おいおいおい、俺行くなんて一言も」御坂「嫌なの…?」ウルッ
上条「えぇぇぇ……」
上条(ちょっと待て、一体今何が起こってるんだ)
御坂「ねえ、どうなの?」 「もちろん嫌よねぇ?」
食蜂「はぁい、上条さぁん!」ヒラヒラ
御坂「げえっ!食蜂!」
上条「よ、よぉ」
上条(ふぅ、ナイスなタイミングだ、助かったぜ食蜂)
御坂「ちょっと!今こいつと大事な話してるところなんだから邪魔しないでよ!」
食蜂「へぇ、大事な話ぃ?日本ハムの試合を観ることが大事な話ぃ?」
御坂「何よ、馬鹿にしてんの?」
食蜂「してないわぁ、野球観戦はとっても素晴らしいものだものぉ で、もぉ」クルッ
上条(何か嫌な予感がするぜ、今のうちに誰かに助けを求めておいたほうがいいんだろうか)
食蜂「上条さんは私とベイスターズの試合を観に行くのよねぇ?」ニコッ
上条「………へ?」
食蜂「あらぁ、何か悪いのかしらぁ?ベイスターズはとっても素晴らしいチームよぉ?」
御坂「ねえねえ、クライマックスシリーズってしってる?」ププ
食蜂「くっ ぐぬぬぬぬっ!」ギリギリ
御坂「あっ、ごめぇん、そういえばクライマックスシリーズに出たこと無かったわよね、今年も無理そうだし多分一生無理なんじゃない?」
食蜂「はぁーーっ!? はぁーーーっ!!?? 何よそれ聞き捨てならないわぁ!! ベイスターズの打撃力はリーグとっぷくらすなんだから後は投手力だけだしぃ!!」
御坂「そんなことよりスタジアムなんとかいたほうがいいんじゃないのぉ?」ププ
食蜂「う、うぅぅ、そっちこそ打撃の軸を放出するなんてことやらかしてお粗末な成績になっちゃってるじゃないのぉ!」
御坂「いや、私木佐貫投手のファンであってチームは巨人応援してるしぃ」
食蜂「はぁーーっ!? はぁーーーっ!!?? はぁぁぁーーーーーっ!!!??? 何それわけわかんないんだけどぉ!!御坂さんってば何!?どういう趣味してるのぉ!?」
食蜂「もっといい投手なんていくらでもいるじゃないのぉ!何でよりによって木佐貫なわけぇ?センス悪ぅ!!」
御坂「あぁんっ!?」カチン
食蜂「臨むところよぉ、私の激怒力を甘くみないことねぇ」
禁書「とうま、私たち帰っていいのかな?」
上条「気持ちはわかるが帰ったら後が怖い、ここはじっと耐えるんだ。インデックス」
佐天「いやー、耐えるととばっちり受けそうな気がするんですよねぇ」
禁書「あ、さてんだ」
上条「おぉっ!いつの間に!全く気がつかなかったぜ!」
佐天「たった今ですよ。それよりその節はご迷惑をおかけしました」ペコ
上条「お?いやいや、お気遣いなく」ペコ
禁書「さてん、その手に持ってる封筒は何かな?」
佐天「これですか?実はホークスのチケットが手に入ったんで一緒にどうかなぁって」
上条「えっ?」
佐天「いやいや、私O氏のファンでしてねぇ、巨人も応援しますけど最近はホークスびいきだったりするんですよねー」
上条「日本ハム、ベイスターズ、ホークス、俺は一体どうすりゃいいんだ」
佐天「ははぁ、なるほど、御坂さんが日本ハム、食蜂さんがベイスターズってところですねぇ」
上条「そうなんだよなぁ、どうすっかなぁ」
佐天「悩んでたってしょうがありませんよ。こうなったら全部行くしか無いんじゃないですかぁ?」
上条「全部っ?」
佐天「はい、全部です。ちなみにあたしのチケットは土曜日のやつなのでお泊りも有りですよ~?」
禁書「お泊り!行きたいんだよとうま!私ホークスに決めたんだよ!!」
上条「わぁっ!そんなことデカい声で言うんじゃありませんっ!!」
御坂「ねぇ」
食蜂「ホークスって何かしらぁ?」
上条「ほら、こうなる」
佐天「がんばれー、上条さーん」
佐天「ホークスのチケットでーす!」
食蜂「ふぅ、油断大敵ねぇ、この調子じゃまたどこから現れるかわかったもんじゃないわぁ」
禁書「ねえとうまー、おとまりー、おとまりー!」グイグイ
上条「待て待て、まってくれ!とりあえず皆俺の話を聞いてくれ!」
御坂「何?」
佐天「何ですか?」
食蜂「何かしらぁ?」
禁書「何なの?」
上条「えと、幸か不幸か全員そろったのでここで発表したいと思います」
四人「「………」」
上条「えー、実は、バレンティンから試合観戦のチケットをここにいる全員分手配したっていうメールが届きました」
四人「「おおぉーーっ!!」」
御坂「今日本記録トップを走るバレンティンの生打席が見られる」
食蜂「これは確かに観なきゃ損よねぇ」
佐天「うわぁ、何かわっくわくしてきましたぁー」
禁書「きっとすごい迫力だと思うんだよ」
上条(よし、これで万事解決だ)
上条「と、いうわけで詳しい日程なんかはまた後で連絡しますので、今日はこれで解散っ!」
上条「ふぅ、危うく不毛な争いに巻き込まれるところだったぜ、平和な暮らしを守るってのもまた」御坂「待ちなさい」ガシッ
上条「……何でせう御坂さん?」
御坂「バレンティンの試合は行くとして、私のこの日本ハムのチケット、無駄にさせるつもりじゃないわよね?」
上条「あう……」
食蜂「もちろんベイスターズも観るわよねぇ?」
佐天「ホークスもですよ?」
上条「ちくしょう…… 不幸だ……」
公平にそれぞれのひいき球団の試合を日替わりで観戦したのだがその応援がすごい
ハッピメガホンは当たり前、応援歌を選手一人一人全部覚えさせられたのは正直まいった
当然俺の部屋でやるもんだから隣近所からのクレームが殺到、するかと思われたのだがそこは食蜂
俺の(隣の土御門も含む)寮の住人全員をリモコンでぱぱっと操作しちまった
そんなこんなであっという間に日々が過ぎ、いよいよ明日はバレンティンの応援だ
すっかり野球の細かい戦術にまで詳しくなったインデックスは明日の先発投手の細かいクセや配球をバレンティンにメールで送る始末
プロにそういうことしちゃいけませんと注意したがまったくもって聞く耳持たず。これから先も続けるのだろう。それを考えるとため息が止まらない
さて、あの事件の当事者のO氏であるが、
<O氏「どこまでいくか楽しみ」 バレンティンの57号祝う>
なんてニュースが発表されるくらいだ。きっと、これからも自分の記録に挑む若者たちを暖かく見守ってくれることだろう
俺たちちっぽけな一野球ファンにできることなどたかがしれているかもしれないが、御坂や食蜂、佐天さんのように
野球を愛する心を持ち続ければ、きっと、いつかきっと、日本プロ野球がメジャーリーグに肩を並べる日が来てもおかしくないだろう
その日を一日でも早く見られることを願って
おわり
無駄にしっかりした話でワロタ
以下、禁書キャラを絡めた野球スレで
乙
半日追いかけて正解だった
いやー男性陣暑苦しいぐらい熱い戦いで楽しかった。
ところで以前書かれたSSなどありますでしょうか?
ふたなりって言えばわかる人はわかります
>>1の野球愛と禁書愛は本物だ
40本を21年間打ち続けても達成不可
これやろなあ。
この記録があるかぎり世界の王やで。
とにかく乙。
稀に見る野球の良SS
引用元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1379300805/
佐天「55本を越えたHRを1に戻すことができる能力かぁ」 への38,413件のフィードバック